「七つの日より」_『劇的な昨夜』寄稿 素人集団 禅♥裸

 おんがくのじかんで催される、バーでの演劇ショーケース『劇的』

その第一弾の「劇的な昨夜」を、6つの個性豊かな劇団とお届けします☆彡

【公演詳細】
バーでのショーケース公演「劇的」vol.01 『劇的な昨夜』
2022年10月13日(木)ー16日(日)
@東京都 三鷹 おんがくのじかん

みなさん、はじめまして。プロデューサーの平井です
今回からは、インタビュー企画に続いて"団体からの寄稿"をご紹介していきます
第3回目の寄稿は素人集団 禅♥裸さんからお寄せいただきました

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こんにちは、素人集団のアントーニオ本多です。


いま、現代音楽の寵児カールハインツ・シュトックハウゼン(1928-2007)のCD「七つの日より」を聴いています。

なんだか涙が出てきました。
ここまで生きてきて
多くの人に迷惑をかけてしまった。
申し訳ない。

この作品は「直感音楽」といって、通常の楽譜ではなく、シュトックハウゼンが書いた詩的なテキストの演奏指示のみによる音楽です。

フリージャズなどは好きで聴いていましたが、クラシック音楽の演奏者による、集団即興的な音楽は聞いたことがありませんでした。

ここに、CDに収録されている「エス」という曲のテキストを貼らせていただきます。


『エス』

「何も」考えるな
おまえの内が完全に静まるまで待て
そこに達したら
奏ではじめよ
思考が動きはじめたら、ただちに止めよ
そして「無思考」の状態に
ふたたび到るようにせよ
そうなったら また奏でよ



このテキスト(楽譜)をみて、わたしもこの曲を演奏できるはずだ、と。
ためしに演奏してみよう。

ひとたび、静けさに到達してから、奏ではじめる。

ああ、そのことを、私はどれだけこの人生において怠ってきたことか。

なぜ、静けさを信用せず、やかましい思考に囚われたのか。
思考はなんでも欲しがった。
わたしは思考をわたしだと思っていた。

だが本当はそうではなかった。そのことをエックハルト・トールが6年前に教えてくれた。

静けさから純粋に湧き上がる力について、学校では教えてくれなかった。
それを、確かにこの身体は体験していた。身に覚えが、あった。
しかしいったいどういうことなのか、わたしには全く明らかではなかった。
それを、2500年ほど前にゴータマが明らかにしてくれた。
そしてエックハルト・トールが6年前に教えてくれた。

よかったなあ。



旅路はまだ始まったばかりだ、
わたしは6歳。わたしは2500歳。

降車ドアの角に立っている背の低い若い女性が、髪の毛を両手でしっかりとうしろに撫でつけて、白い紐でそのテイルをしっかりと、まとめた。

その所作は何百世代まえに彼女の祖先が果てしなく広がる草原で、馬上に佇みながら行った所作の残像だ。

続いていけ!若い女性よ!

彼女がMILK(牛の乳)という文字の入ったナップサックを背負った瞬間、わたしは電車を降りて彼女に永遠のお別れをし、新しい道を歩き始めた。

そして駅から数分のファミリーマートの前で、ジモティーというアプリケーションで0円でゲットしたハロゲンヒーターを、口にマスクを装着した女性から受け取った。「入れる袋がなかった」ということで、そのままに。むきだしに。

最後に、CDに収録されている「太陽に向かって帆を上げよ」という曲の、テキストによる演奏指示を貼らせていただきます。


『太陽に向かって帆を上げよ』

一つの音を奏でつづけよ
その音の一つ一つの振動が聴こえるまで
その音を保て
そして他の者の音を聴け
----一音ずつ聴くのではなく、すべての音を同時に----
そしてゆっくりとおまえの音を動かせ
完全なる調和へと到達するまで
そして全体の響きが金色となり、
純粋で、穏やかに煌めく炎となるまで

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◎作品情報◎

素人集団 禅♡裸「座頭市 vs ロボコップ」

~あらすじ~
とある旅籠で按摩として働くことになった座頭市。その最初の客としてやってきたのがロボコップであった!

~出演者~
座頭市:アントーニオ本多
ロボコップ:トランザム★ヒロシ
悪党:プッシー佐藤
女中:SAGAT

~参加チーム・タイムテーブル~
αチーム
2022年10月
 13日(木)19:00
 15日(土)19:00 
 16日(日)15:00※
※終演後にアフタートーク有(約20分予定)

受付・開場は開演の20分前。
上演時間は約90分予定(1団体につき約20分の上演+OP演奏15分)。

※次回は明日、ぺぺぺの会さんのから寄稿です。
 過去の記事はコチラよりご高覧いただけます。

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