「ハコベラとはなんじゃらほい」_『劇的な昨夜』第1回寄稿 ハコベラ

   おんがくのじかんで催される、バーでの演劇ショーケース『劇的』

その第一弾の「劇的な昨夜」を、6つの個性豊かな劇団とお届けします☆彡

【公演詳細】
バーでのショーケース公演「劇的」vol.01 『劇的な昨夜』
2022年10月13日(木)ー16日(日)
@東京都 三鷹 おんがくのじかん

みなさん、はじめまして。プロデューサーの平井です
今回からは、インタビュー企画に続いて"団体からの寄稿"をご紹介していきます
第1回目の寄稿はハコベラさんからお寄せいただきました

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 こんにちは、ハコベラ代表の青木です。
 こんな劇団です。お見知り置きを。という趣旨のコラムということで、僕たちの出会いから現在までを僕の記憶を辿って、辿った結果都合よく記憶を改ざんしながらお話しさせてください。

 僕たちの出会いは、福岡県は北九州市、2014年、真冬のある山の中で春の七草を収穫し仕分けるバイトで出会いました。今では30歳目前の僕も当時は20歳で、キラキラの若者でした。休憩時間中吸い始めたばかりの煙草を吹かしてたら、僕と同じくらいの年の青年が骸骨みたいな顔で煙草を慣れない感じで吹かしていました。片渕くんです。変な人だけど一応友達になっておこうと思いました。仕事が終わってコインランドリーで洗濯物をしながら話してみると彼は高校の頃演劇部に入りたかったけど無くて、でもお芝居がしたいからと先生にお願いして別の学校まで行ってお芝居をしていたという話を聞き、意外と熱い奴なんだなと思い、僕は一緒にお芝居がしたいと伝えました。泥まみれの作業着を洗濯しながらひっそりとまだ名前はないけどハコベラが結成されました。しかし僕も片渕くんも台本を書いたことがない為、誰か脚本をかけて演出してくれる人を仲間にしようと話しているところ、深夜のセブンイレブンの前に、疲れ果てた顔の美女が虚ろな目で突っ立っていました。愛里です。なんとなくの情報で彼女は脚本演出ができることを知っていた僕たちは一緒にお芝居しない?とやんわり誘いました。疲れすぎているところあんまり知らない2人にそんな話をされて断る理由を考えるのめんどくさかった為「おぁあ…いいよ〜」と仲間になってくれました。僕たち3人は公演をするにあたって「制作」という裏方業務をしてくれる人が必要らしいと知りました。片渕くんが制作をしたことがある友達がいるので紹介してくれることになりました。お金がないのでマクドナルドでその人と待ち合わせしました。なんのこっちゃ分からない顔で片渕くんと知らない2人が座る席にその美人はこちらにふらふら歩いて来ました。だーまえです。余談というか告白なのですが劇団紹介をする際ハコベラは4人とも山の中で出会いましたと言っておりますが嘘です。だーまえは掛け持ちのバイトが忙しくその七草を仕分けるバイトのグループラインに入ってはいたものの一度も山には居ませんでした。詐欺です。

 だーまえに経緯を説明すると制作を受け持ってくれると言いました。だーまえは脚本も書けることを片渕くんから聞いていた僕は脚本も書いてくれない?となんの考えも無しに頼みました。だーまえは優しいのでいいよと言ってくれました。北九州、小倉駅すぐの治安が悪いマックで初めて4人が揃いました。
 劇団名をどうしようという話しになり、悩みながら七草を仕分けているとパートのおばちゃんに作業が遅いと叱られました。休憩中愛里と仕事の愚痴を言いながら劇団名を考えているとそのおばちゃんが話しに入ってきて「ひよこ草はどう?」と言われました。僕たちが仕分け担当をしている草の名前で、割といいなと思ったけどちょっと可愛すぎな気がするなと話すと「じゃあハコベラは?」と言われました。ひよこ草の別名がハコベラで名前の由来は「繁栄する、蔓延る」と説明してくれました。めちゃくちゃええやんと僕たちの劇団名が決まりました。

 あれから大体8年、僕たちハコベラは劇団として繁栄してその名を全国に蔓延らせるいうことには全くなっていません。
 4人全員で台本を考えて、舞台を作るスタイルを取っている僕らは公演を重ねるたびお互い譲れない部分が強くなって、好みや得意が伸びてそれはいいことなのだけど疲れちゃうことも多く、僕がやんわりお芝居を辞めようとしたり、口だけ大きなことを言って実行力がなかったり、メンバーを言葉で傷つけたり、主に僕が亀裂の原因を作っちゃってることが多いのですが、そんな僕を見限らずここまで解散することなく、踏ん張って、助け合って新しいことにも挑戦して何かを終わらせないように楽しみ頑張っているハコベラです。

 そんなハコベラ結成時から全ての作品に出演していた僕は今回のお芝居は声のみの出演となりますが正直めちゃくちゃ楽しみです、普段も今後こんなこと言える機会ないと思と思うのでハコベラをファンとして語らせてください。

 1つ1つ面白い所を挙げるとキリないのでここが凄いだぞ!を2つだけ

 まず、大衆性の中に4人それぞれの独創性抜群のセンスが節々に散りばめられていて、それでお客さんを置いてけぼりにはしないでいるところが最高です。
 そして、等身大のアホなのが最大の魅力です。
背伸びせず自分達に嘘つかない話しを作ってその中でちょっと無茶なアホなことをしているのでなんかめちゃくちゃ面白いのに人間味が強くてちょっと泣けたりすることがあります。

 さぁハードルは上げすぎた、ハコベラさん、とっても楽しみにしています!

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◎作品情報◎

ハコベラ「LOVE&30 〜フローズンマルガリータにチョコレートをひとかけ〜」

~あらすじ~
ハコベラにはあらすじというものがわからぬ。ハコベラは3年前に福岡県から上京した劇団である。ハコベラには演出家がいない。脚本も全員で作る。福岡にいたときは天才集団と呼ばれていたものだが、東京でそう呼ぶ者はまだ一人もいない。正直福岡にもニ人しかいなかった。
ハコベラにはあらすじというものがわからぬ。分かるのはただ、演劇が好きだということと、それを暗く覆い尽くすほどに、現実の壁は大きいのだということである。

~出演者~
愛里
片渕高史
だーまえ
青木裕基(音声のみ出演)

~参加チーム・タイムテーブル~
αチーム
2022年10月
 13日(木)19:00
 15日(土)19:00 
 16日(日)15:00※
※終演後にアフタートーク有(約20分予定)

受付・開場は開演の20分前。
上演時間は約90分予定(1団体につき約20分の上演+OP演奏15分)。


※次回は明日、みちばたカナブンさんのから寄稿です。
 過去の記事はコチラよりご高覧いただけます。

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