おんがくのじかん よりご挨拶『劇的な葬儀』

   おんがくのじかんで催される、バーでの演劇ショーケース『劇的』

その第二弾の「劇的な葬儀」を、6つの個性豊かな劇団とお届けします☆彡

【公演詳細】
LIVEバーでのショーケース公演「劇的」vol.02 『劇的な葬儀』
2023年3月23日(木)ー26日(日)
@東京都 三鷹 おんがくのじかん

本日は、おんがくのじかん からの、ご挨拶です。





 昨年春。平井寛人さんがプロデュースされていた演劇の企画「見本市」を観劇致しました。全9団体、(自分にとっての演劇的なイメージの)難解な作品から、コントとの線引きができなかったものまで、刺激的な演劇体験を味あわせて頂きました。限られた空間でも、このような試みが可能であるなら、自分の店(おんがくのじかん)でも、何か企画できるのでは?と思い、唯一相談できる立場の平井さんに、自分が考えているコンセプトなどお伝えしました。それらを元に、何も分からぬ自分の代わりに、平井さんが煩雑な事務手続きなどを担当してもらう形で、演劇ショウケース 「劇的」として、昨年10月に開催されました。記念すべき第一回のタイトルは、「劇的な昨夜」。平井さんといくつか案を出し合った中から選ばれたものです。お互いにお酒を酌み交わしながらの席ではありましたが。

 「劇的な昨夜」。小さな会場だったとは云え、連日大入りで、劇団の皆さんはもちろん、演劇ファンの熱いものを直に感じる事ができました。それらは、自分にとって貴重なものとなっております。公演に向けた準備の過酷さなどすっかり忘れ、味をしめてしまっての、この第二回。タイトルは「劇的な葬儀」。今回は、自分が命名させて頂きました。昨年夏(劇的が開催される2ヶ月ほど前)、父が他界し、喪主側として、葬儀を執り仕切る経験をしました。

 その朝、母から報せがあり、しばらく店を休む事になる旨を関係者に伝え、ザッと荷物をまとめ、新幹線に乗り、葬儀社が用意した霊安施設に着いたのが、すっかり夜。様々なペーパーワークに疲れ切った母。その前で眠りについている父。生きる者と死んだ者の境界線をハッキリと目にしました。翌朝、葬儀社の担当と挨拶し、あれやこれや、言われるがまま、参列者のリストをまとめたり、お弁当の数を数えたり、葬儀のオプションサービスの話をしたり、30年以上会っていなかった親戚に挨拶をしたり、葬儀屋が手配した僧侶をもてなしたり、火葬場では、お菓子やお茶を出している内に、父は骨になっていました。果ては、母の葬儀の契約まで相談される有様。まるで、伊丹十三の映画の中で、全ての人がキャスティングされているようで、途中からとても可笑しくなり、楽しんでしまった自分がいます。きっとヒットしたに違いありません。

 「葬儀」と云う、ある意味ありふれたテーマを、劇団の方々はどう解釈するのか。ひょっとしたら、若い役者の方の中には、葬儀に立ち会った経験が無い方もいらっしゃるかも知れません。ユニークなイメージの転換が起きる可能性も。この世に生まれた以上、誰しもが約束された「死」を、ただ悲しむだけでは勿体無いとも思います。ましてや、「死」と「葬儀」はイコールではありませんので、生き生きとした「葬儀」があっても良いわけです。

 「劇的な葬儀」どうぞご期待下さい。

(おんがくのじかん店主:菊池)

※次回は明日、関連企画に関する記事を発信します。また次回お会いしましょう!

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